2018.06.28
20180620一般質問解説③〜長期欠席生徒に不利な入試⁉️〜
こんにちは、
東京都議会議員(町田市選出) おくざわ高広です。
◯一般質問解説シリーズ③は、都立高校入試制度についてのお話です。
◯発端は、とある知人からのご指摘で、舛添都政下で都立高校入試制度が変わり、長期欠席生徒に不適切な指導が行われている可能性があるというものでした。
◯これまでの政治は、陳情や要望は顔や名前が分かる関係で扱うものでした。しかし、コミュニケーションが複雑化した現代社会では、SNSやネットでの投稿にSOSが隠れている可能性もあります。ネットの声が政治を動かした例としては、保育園落ちた、日本死ねが有名ですね。
◯そんな社会にあって、政治家に求められる能力の一つが想像力であり、現場の経験が物を言います。学習塾で進路指導をしていた経験上、ありえる事象であると感じ、今回質問させていただきました。
◯詳細は全文を見ていただければ幸いですが、要は、制度上、「長期欠席そのものが不利には働かない」というものです。
◯まず、出席日数が足りない場合は、内申点がつきません。その場合、学力試験相応の想定内申点が付与されますので、結果として、学力試験での成績がほぼストレートに評価されます。
◯問題は、長期欠席を理由に内申点が低い場合です。(そもそも、長期欠席を理由に内申点が低くなる。学校に来ることが前提の教育システムに疑問を持っていますが、今は置いときます。)この場合、学力試験が高く、内申点が低い状況ですから、高校側はあれっ?と思うわけです。
◯ここで大切なのは、生徒や保護者から、高校に直接、理由書を提出できる制度があるということです。なぜ長期欠席となったのか、これから高校ではどのような生活を送りたいのかを高校側は確認し、不利にならないように配慮しているということです。
◯以上から、都教委の答弁で、高校側から長期欠席が不利に働かない旨の言質は取りました。もし中学校からそのような指導を受けた際は、相談窓口も開設しているので、相談してみてください。
◯私は、子どもの可能性を100%信じています。いじめ、発達障害、学習についていけない、様々な理由から長期欠席になることは誰にでもありえることであり、いつでもやり直せる仕組みが重要です。(長期欠席を生み出さない学校の在り方については、今は置いときます。)
◯今回の質問が、長期欠席の子どもや保護者の勇気になればいいなと考えています。
◯また、長期欠席を経験した生徒にとって、必ずしも都立の進学校に進むことが良いとは限らないことも申し添えておきます。都立であればチャレンジスクールから有名私大や国立大へ進学するケースも出ています。実際にいくつかのチャレンジスクールを視察しましたが、通う子どもたちの姿は、長期欠席を経験した子とは思えないほどハツラツとしていました。
◯私学無償化もはじまっていますので、経済的な理由から私立高校進学を諦めていた子にとっては、選択肢が広がったわけです。通信制や単位制高校も独自のカリキュラムで、スポーツや音楽などの分野で優秀な人材を多数輩出しています。
◯長くなりましたが、「一つの生き方に縛られずに、一人一人に幸せな人生が待っている」そんな教育環境が整備されることを願い、引き続き活動していく所存です。
(不動産会社退職する決意固めた日の1枚)
(卒業生からの色紙。たまに見て元気出してます)
【質疑骨子】
○小さな躓きから、自信を失い、社会に出ることに臆病になってしまうことは誰にだってありえることであり、自分のペースで再出発できる社会をつくることは重要です。
○本年1月、インターネット掲示板上のとある記事を目にしました。
○その要旨は、『平成28年度の都立高校入試で特別選考枠が廃止された結果、長期欠席からの学校復帰を目指す生徒に対し、「内申点がついてしまうから学校に復帰してはならない」との指導があった』というものです。
Q.不登校を経験した生徒やその親にとっては、高校進学が再出発のきっかけになる場合は多く、都立高校入学選抜制度が、その一歩を阻むものであってはならないと考えますが、都教育委員会の取組を伺います。
【答弁骨子(教育長)】
・都立高校入試では、応募資格、出願手続き等、制度に関わる相談を受け付ける入試相談コーナーを設置し、電話や来庁により相談者の疑問に対応。
・出願に当たっては、中学校での欠席が多い場合、その事情を説明する申告書を志願者及び保護者が作成し、高等学校に直接提出できるようにして不利益がないように対応。