2018.08.06

20180620一般質問解説⑥~障がい者グループホームについて~

こんにちは、

東京都議会議員(町田市選出) おくざわ高広です。

○一般質問の解説ラスト「障がい者グループホーム」についてです。

○障がい者グループホームとは、障害のある方が専門スタッフの支援を受けながら、地域の中で暮らしていく場所です。障害のある方にとっては、親から自立して地域で暮らしていく訓練としての意味合いもあり、親御さんに伺うと、「これまでは、私が死んだら、この子はどうやって生きていくのだろうという漠然とした不安を抱えて暮らしてきました。障がい者グループホームができたことで、私もこの子も、幸せになる権利を与えられたような、希望の光になりました。」という言葉も出てくるくらい、重要な場所です。

○そのような障がい者グループホームの歴史は浅く、平成になってから国の制度ができたものの、財政面での援助は限られており、国に先んじて都道府県や区市町村が独自に予算をつけてきた経緯があります。その後、2006年の障害者自立支援法、2013年の障害者総合支援法などの機会をとらえて、徐々に支援の形が整いつつある状況です。とはいえ、全国一律の国の援助だけでは、施設の運営は大変厳しく、特に重度の障がいや精神障がいについては、24時間体制での支援や緊急対応が必要になることもあり、手を挙げる事業者が少ないという実情も聞いています。

○東京都においても、国の援助に加算する形で障がい者グループホームを後押ししてきました。具体的には、利用者さんが入院したり外泊(家に帰る)したりしても、月単位での費用が支援されるなどです。入院や外泊の際にも、様々な手続きをサポートしたり、ご家族とのコミュニケーションをサポートしたり、スタッフの業務がなくなるわけではありませんので、納得です。

○しかしながら、本年1月に事業者の方々にとっては青天の霹靂ともいえる、都の加算制度見直しが告げられました。重度化・高齢化に対応するための見直しであり、その趣旨には一定の理解はできるものの、なんと施行までの期間はたったの9か月。事業者の皆さんは、すぐに運営費の積算をしたところ、年間で100万円を超える収入減となる施設が…

制度変更の詳細はこちら

○これは放置しておけない、ということで担当局との折衝をはじめるわけですが、これがなかなか動かない。都からは、「今後の重度化・高齢化への対応を見据えてスタートさせた見直しですから、元に戻すわけにはいかない。」「マイナスになる事業者もあるかと思うが、経営が困難な状況にはならないはずだ。」との姿勢。こちらからは、「財政面での後ろ盾がない小規模事業所はつぶれても構わないというのか。」「日々の業務で手いっぱいの事業所にとって、たった9ヶ月で運営の見直しは厳しい。」といった押し問答をする時間が続きました。その中で、都側としても、説明が足りなかった、対応に丁寧さを欠いた点への反省や、まさか100万円単位での減収になる事業者が現れるとは思っていなかったといった意見が出るようになりました。

○机の上で練りに練られた制度に対し、現場の意見をぶつけ、より良い制度へと改めていく事は政治の役割の一つであると思います。私は、一般質問という機会を与えられておりましたので、議場で取り上げさせていただきましたが、公明党、自民党、共産党もそれぞれの立場から担当局に意見を伝え続けています。特に都議会公明党の動きは素晴らしく、下記のような要望書を都に提出し、かなり前向きなお答えをいただいているようです。

○私個人としては、若者が夢をもって働ける職場となるよう、キャリアアップ制度などについて調査研究を進めていこうと考えているところです。

○この質問をするにあたっては、町田市内の多くの方からご意見を伺い、また施設での暮らしも拝見させていただきました。お忙しい中にも関わらず、お時間を頂戴し、ありがとうございました。先述の障害者総合支援法の目的は「地域社会における共生の実現」であり、東京都の目指すダイバーシティとは「誰もがいきいきと生活できる、活躍できる都市」のことです。障がいのある方もない方も、支え合い、共に暮らしていく社会の実現に向けて、引き続き、自分の役割を果たしていくことで、お返ししていく所存です。

○次回からは、一般質問の解説から離れ、日々の活動や考えを発信していきますので、引き続き、よろしくお願いします。

○未来の東京を輝かせるご意見やご提言がございましたら、お気軽にご連絡ください。
194-0022 町田市森野2-2-37 長田ビル102号室
TEL:042-710-3281 FAX:042-710-3282
MAIL:team0938@okuzawa-takahiro.com

一般質問の動画はこちら

【質疑骨子】
○最後に、障がい者グループホームの東京都独自加算制度の見直しについて質問します。
○障がいのある方が、自立した生活を目指す上では、安心して暮らせる環境が不可欠です。
○今般の見直しは、障がいの重度化、高齢化に対応するための措置であると伺っており、その趣旨は理解できます。
○しかし、複数の事業者から不安の声が聞かれ、収入減の影響による人材削減や、それに起因する職員の過労、サービス低下の可能性が懸念されております。
○町田市、昭島市などの複数の事業者からは、改善を求める要望書が届いているところでもあります。
一方、今般の見直しの趣旨や内容は事業者に伝わり切っておらず、制度を充分に活用できていない部分もあるように見受けられます。
Q.改めて、国や都の加算制度を最大限活用していただけるよう丁寧に説明し、時には助言をすべきと考えますが、都の見解を伺います。

【答弁骨子(福祉保健局長)】.
・都は、地域における障害者の居住の場であるグループホームの事業者が、質の高いサービスを提供できるよう、国の報酬に加え、都独自の補助を実施
・今回の見直しは、質の向上のための国加算を取得した場合に、その加算額が事業者の収入に直接反映させる仕組みに改めるものであり、本年1月及び3月に、事業者に対する説明会を開催
・その後、国から平成30年度の報酬改定に係る新たなサービス類型や加算についての詳細が示されたことから、昨日改めて、事業者向けに説明会を実施
・今後、請求事務等に関する説明会についても、区部及び多摩地域で実施する予定であり、個別の事業者から問合せに対しても丁寧に説明

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