こんにちは、
東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。
さて、今日は都議会本会議が開催され、医療従事者への特殊勤務手当の増額や飲食店向けの協力金不足分の追加景況について賛成多数で可決されました。
採決に先立つ討論においては、無所属 東京みらいを代表して斉藤れいな議員がのぞみました。
協力金の一律支給に関する不公平さや緊急事態宣言によって影響を受ける幅広い産業への支援の必要性、大学生はじめ若者の置かれている状況や社会的に弱い立場の人への支援の必要性を訴えました。加えて、緊急事態宣言の再延長へと向かう中、検証は行われているのかと疑問を呈する内容となりました。
「Save the dance」 と書かれたマスクを着用し、緊急事態宣言で影響を受けている人たちの想いを代弁できるように臨んだ姿には、アーティストとしても活躍する斉藤れいな議員の想いも凝縮されていたように思います。
LIVEハウス、クラブ、ミュージックバーおよび、 ステージ、ダンスフロア、DJブースのある文化的施設の存続と 音楽家・アーティスト・DJなどの実演家やフリーランスのクリエイターや スタッフたちの活動とシーンを守る活動です。
各会派の主張については、録画中継をご覧ください。※全部で45分程度です。
※3月4日 一部議案の議決 をクリックしてください。
以下、斉藤れいな議員の討論全文です。
無所属東京みらいを代表して、討論を行います。
私たちは、知事提出の全議案に賛成の立場ですが、今後見直すべきことが多いと考えています。
まず、時短要請に関する協力金については、3つの期間において不足する予算をあわせて計上するものです。これらは金額も支給対象も要請内容も異なるものであり、また、その金額について、一日あたり一律6万円は適切ではないとして批判の声が上がっています。都心では数百万円という家賃のところもあれば、同じ広さで数万円の家賃の地域もあります。それぞれの事業者にとって必要な金額は異なるはずです。東京都のサービス産業動向調査をみると、2020年10月~12月の3か月間における飲食店の売上高の落ち込みは昨年比21%、金額にすると、3,700億円程度となります。2/8~3/7に計上され、専決処分された協力金の予算は2,000億円を越えますが、それだけの予算があれば充分に売上補償もできるはずです。国の交付金とはいえ、現在と将来にわたる都民の税負担から成り立つものであり、協力金の趣旨にとらわれ、不公平感を助長している現状について、早急な見直しを求めます。
また、時短要請を受けている業界だけでなく、その影響は広範囲にわたっています。たとえば、これまで自分の足で立てていた文化・エンターテインメント産業も、公演等の中止、延期、縮小が続き、いよいよ自分たちの足で立てなくなります。大きな、大きな危機感をもっています。
感染症対策の基本は、検査、追跡、隔離であり、私たちは度々その十分な整備を求めてきました。宣言中における積極的疫学調査の縮小や入院調整の遅れなど、懸念していたことが表面化してしまったことは残念でなりません。さらに、重症者用病床数について国と都の見解が異なるという点も混乱を招いています。昨年8月、都は重症者の数え方が国の定義と異なるということを公表しておらず、問題になりました。その際、都内には国の定義では測れないハイケアユニットなどの病床があり、都の指標がより実態に即したものであると聞いていました。定義や数え方が異なること自体は、より実態に即したモニタリングを行うという趣旨から理解はするものの、都民の混乱を生まないために、もっと早い段階で国との調整を重ね、一貫した基準や姿勢で情報提供ができなかったものかと疑問が残ります。
保健所の行う積極的疫学調査をさらに強化する必要性については、東京都モニタリング会議でも専門家から繰り返し言及されています。先週2月26日に、「感染者がピークアウトしたことから、一部の保健所で対象を高齢者の多い施設などに絞っていた濃厚接触者の積極的疫学調査について、再び通常の体制に戻す」と公表しました。トレイサー班の活用や保健所の負担軽減としての民間人材活用をさらに推進し、新規陽性者数が年末年始と同様に高まってたとしても積極的疫学調査を縮小することのないように準備を進めるよう要望します。
昨日、総理より緊急事態宣言の再延長の方向性が表明され、知事は同じ考えだとコメントされています。東京都は緊急事態宣言の解除について、ステージ3を目安として国が判断すべきとしてきました。国の指標では、すでにステージ3から2となっており、どういう基準で延長されるのかと都民からも混乱の声が聞こえてきます。
そもそも発症日別の新規陽性者数をみると、緊急事態宣言の発令される前の1月4日時点でピークを過ぎています。では、何が感染を抑える決め手になったのか、より効果的な対策とは何か、改めて検証すべきです。緊急事態宣言は、特別措置法に基づいて知事の権限を強化するものであり、大切なのは、その権限を使って何をするのかです。関西圏などではすでに行われているように、宣言を解除しても時短要請を行うことは可能です。
緊急事態宣言は意図するとせざるとに関わらず、社会全体に大きな影響を与える諸刃の剣です。その影響は、経済活動のみにとどまりません。社会的不安の増大によってうつ症状が進行しているという分析や若者の成長の機会が奪われているという指摘も相次いでいます。一年間対面での授業が行われず、成人式も卒業式も縮小されている上、アルバイトが無くなるなどして退学や休学を考えている大学生も数多くいると聞いています。未来を担う若者に対して、私たちは何ができるのか、もう一度考え直し、対策をとるべきです。
閉店、倒産、解雇、自殺といった問題が増加する中、宣言の再延長によって、さらに厳しい状況に追いやられる方々の暮らしをどう支えるのか、「セーフティネット」の強化は間違いなく必要です。再延長に伴う支援策について、ただ時短協力金を延長するだけでない、充分な支援が示されることを求めます。
新型コロナとの戦いはまだまだ続きます。だからこそ、今後、見るべき指標や解除の目安、より効果的な対策と必要な支援策を一体的に提示して、事業者や都民の理解と納得を得られるよう丁寧に説明を尽くすべきです。それが、事業者や都民の皆様とともに新型コロナを乗り越えていくために、まず必要なことであると指摘して、討論を終わります。
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