2020.11.15

自分らしい笑顔が見たいから〜アライ議員としての3年を振り返る②〜

こんにちは、

東京都議会議員(町田市選出)

無所属 東京みらい おくざわ高広です。

さて、今日は前回の続きなので、まだお読みでない方はこちらをどうぞ。

かくして、五輪人権条例が制定されたのものの、具体的な取組が定まっていない理念条例だということで、

令和元年12月 性自認及び性的指向に関する基本計画が策定され、

その後、相談窓口の開設や各種イベントの後援などへとつながっていきます。

一方で、東京都自身の制度には、性自認や性的指向を理由とする差別的取り扱いはないのかといえば、

例えば都営住宅に入居できない、福利厚生制度が使えない、といった問題点が浮き彫りになりました。

東京都の制度なんだからすぐにでも見直せばいいじゃないか!という声もあるのですが、

同性婚の認められていない現行の法制度と照らし合わせて、整理できないことがある。検討させてほしい。

知事選でも同性パートナーシップ制度に前向きではなかった小池知事に反対されるかもしれないから言えない。

基本計画はできても、取り組むのは各局なので判断を待ちたい。

そんな言い訳めいたことを繰り返す職員を動かすには、議場で取り上げていくしかありません。

そこで、私たち無所属 東京みらいの3人は、本会議や委員会で手分けして質問していきます。

ここからは、実際に議会で取り上げた内容を記載しながら、都庁の歩みを振り返ります。

長くて読んでられないよという方は太字だけ読んで、最後まで一気に進んでください。

虹都営住宅への同性パートナー入居虹

1年間かけて、徐々に具体的な検討へと進んでいることがお分かりになるだろうか・・・

令和元年度都市整備委員会事務事業質疑

○おくざわ高広議員

住宅確保要配慮者の中に位置づけられておりますLGBTの方々などを思いますときに、みずからいい出しにくい、相談しにくいということを念頭に、つまり、相談がないから存在しないという考え方ではなくて、目に見えなくても確実に存在すると想像した上で、何ができるのかを考えていく必要があると私は考えるものです。東京都では、平成二十九年度から、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅セーフティーネット制度の普及に努めておりますけれども、こうした住宅の貸し主等への啓発については、人権担当部署等とも連携して取り組みを強化すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
◯住宅政策本部

都は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅セーフティーネット制度の普及促進を図るため、貸し主や住宅確保要配慮者の方々双方に向けたパンフレットを作成し、幅広く配布してございます。このパンフレットを活用し、高齢者や障害者のほか、LGBTの方などさまざまな方が、住宅確保要配慮者として、住宅セーフティーネット制度の支援対象となっていることなどを周知してまいりました。

また、国の基本方針においては、セーフティーネット住宅以外の民間賃貸住宅においても、住宅確保要配慮者であることをもって不当な入居制限を受けることがないよう、賃貸人等への啓発に係る施策を供給促進計画に位置づけることが推奨されており、これを受け、都は、不動産団体が開催する講習会等で、人権の啓発リーフレットにより周知をしてまいりました。
今後とも、こうしたリーフレットの記載内容の充実を図るとともに、貸し主等で構成される不動産団体が主催するセミナーや貸し主向けイベント等において、総務局が作成した啓発冊子を活用するほか、新たな連携に向けた取り組みを検討するなど、住宅確保要配慮者に対する貸し主等の理解が一層深まるよう取り組んでまいります。
◯奥澤委員

これまでに加えて、さらなる取り組みに期待したいと思いますけれども、昨年、東京都では、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が制定されたところです。これはまさに、本部長が総務局にいらっしゃったときに質疑をさせていただいて、お答えいただいたことを大変私も強く印象に残っています。これをやっぱり理念で終わらせないで、実際に差別のないダイバーシティー東京を広げていくために、ぜひ住宅部門においてもそれをご理解いただいて、組織横断での取り組みを強化していただきたいと改めて要望させていただきたいと思います。
関連して、性的マイノリティー、いわゆるLGBTの方々について、この方々、今もお話ありましたけれども、住宅確保要配慮者に位置づけられている、つまり、民間賃貸住宅への入居に困難を有するということを認識しておきながら、住宅確保要配慮者に対する住宅供給の一翼を担うという側面がある都営住宅においては、LGBTパートナーが入居できないという現状があります。この現状について、私たち無所属東京みらい、斉藤れいな、そして森澤恭子、三人は、あらゆる場面で再三再四、是正すべきとお伝えしてきたところでありますけれども、なかなか是正に向かわないなというような、じくじたる思いをしております。改めて、同性パートナーの都営住宅への入居が可能となるように、その制度を是正すべきと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。
◯住宅政策本部

都営住宅では、使用者の資格の一つとして、都営住宅条例で、現に同居し、または同居しようとする親族があることと規定しておりまして、入居の際、親族関係については住民票により確認しております。いわゆる内縁関係の方も、住民票上で確認できれば同居親族として都営住宅への入居は可能でございますが、同性パートナーについては、親族関係の記載がないため、入居資格が確認できないということでございます。本年八月に公表された東京都性自認及び性的指向に関する基本計画素案において、今後、人権を取り巻く社会の動向等を踏まえ、管理制度等における取り扱いについて検討することとしております。

令和二年度第一回定例会

○森沢きょうこ議員

一昨年制定された人権尊重に関する条例では、性自認や性的指向による差別的取り扱いが禁止され、まさに、ありのままの自分を受け入れ、大切にできる社会を目指すという方向性が示されたものと考えます。その後、茨城県や大阪府では公営住宅に入居可能なパートナーシップ宣誓制度がスタートする中、都においては、さらに実効性ある施策を求める声も上がっています。昨年末に策定された東京都性自認及び性的指向に関する基本計画には、住まいに関する困りごとを抱えるLGBT等性的マイノリティーの方々が一定数存在することが示されています。都内の自治体でもパートナーシップ制度の導入が広がりを見せており、都営住宅における同性パートナーの入居についても、具体的な検討を進めていくべきであると考えます。基本計画では、都営住宅における同性パートナー入居について、人権を取り巻く社会の動向等を踏まえ管理制度等における取り扱いについて検討とありますが、今後どのような検討を進めていくのか、見解を伺います。

○住宅政策本部長

都営住宅の同性パートナーの入居についてでございますが、都営住宅では、使用者の資格の一つとして、東京都営住宅条例で、現に同居し、または同居しようとする親族があることと規定しており、入居の際、親族関係については、住民票により確認しております。いわゆる内縁関係の方も、住民票上で確認できれば同居親族として都営住宅への入居が可能でございますが、同性パートナーにつきましては、親族関係の記載がないため、入居資格が確認できません。今後、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえ、他の自治体における動向や課題等を調査するなど、都営住宅の管理制度等における取り扱いについて検討してまいります。

令和二年度都市整備委員会事務事業質疑

○斉藤れいな議員

同性パートナーの都営住宅への入居を可能とするよう、制度を是正するべきと考えるが、検討状況を伺う。
○住宅政策本部

都営住宅では、使用者の資格の一つとして、東京都営住宅条例で同居親族要件を定めており、入居の際、親族関係については住民票により確認。同性パートナーについては、親族関係の記載がないため、入居資格を確認できない。東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえ、他の自治体における動向や入居資格の確認方法等の課題を調査。都営住宅の管理制度等における取り扱いについて、引き続き検討。

○斉藤れいな議員より意見
お隣の神奈川県ですが、昨年9月に同性カップルの県営住宅への入居を認めました。市町村で同性パートナーシップ証明を受けた同性カップルも「事実婚」とみなし、内縁関係と同じく「夫婦または親子を主体とした家族」として対象とするということです。茨城県でも同性カップルを公的に認める県の「パートナーシップ宣誓制度」を受けて、県内9市町が同性カップルの公営住宅への入居申請を家族と同じ扱いとすると。関東近県のみならず、沖縄県那覇市などはパートナーシップ制度が開始された2016年から入居可能となっています。今は2020年です。東京都は長らく検討してくださっているのですが、もう少しスピードアップをしていただけないかと思う次第です。
公営住宅制度の趣旨は「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与する」ことを目的としており、また、すでに同居親族要件が撤廃されていることに鑑みれば、異性か同姓かではなく、生活実態に応じた対応がとられてしかるべきと考えます。東京都内でも、同性パートナーシップ制度を開始する区市町村はまだ一部ではありますが多摩地域も含め着実に増えていまして、その制度を導入した区市町村に当事者が引っ越しているという事実もあります。まずは住民登録や戸籍の事務を行う市町村の取り組みを支援する形で、差別を解消するという英断を、ぜひ東京都にも早く取り組んでいただきたいと願います。

虹都の福利厚生制度虹

これは、もう変える以外の選択肢がないのだが・・・

令和二年度第三回定例会

○斉藤れいな議員

LGBT等性的マイノリティーの方々が、自分らしく誰からも差別されることなく暮らしていける社会を目指して質問します。
東京都が、慶弔休暇や結婚祝い金などの職員向け福利厚生制度を適用しないのは不当な差別であるという職員の方からの訴えがあり、東京都の各種制度が同性カップルを想定していない部分があることが明らかになりました。東京都では、一昨年、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を制定し、その第四条において、都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならないとしています。確かに、同性婚の認められていない日本においては、法律上の課題や、いかにしてパートナーであることを証明するかといった課題があることは理解します。しかし、法律上の婚姻関係ではない事実婚については適用されている制度が、同性カップルに適用されないという点については、本条例の趣旨に反するものであると考えます。
そこで、今般の福利厚生制度を初めとして、東京都の各種制度を見直していくに当たっては、五輪人権条例の趣旨に沿って、不当な差別的取り扱いをせず、LGBT当事者を支援していくべきと考えますが、見解を伺います。

◯総務局長

各種制度の見直しに当たってのLGBT当事者への支援についてでございますが、都におきましては、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いの解消のため、昨年十二月に基本計画を策定し、各施策に取り組んでございます。都の各種制度におけるLGBT当事者の取り扱いについては、それぞれ現行制度の趣旨や目的、法令等との整合性などを考慮して実施することが必要であり、都庁各局が工夫を凝らし、着実に歩みを進めていくべきものと認識しております。引き続き、普及啓発を通じ、都民一人一人の理解を得ながら、どのような配慮や工夫が可能であるかについて、個別具体的に検討してまいります。

令和二年度決算特別委員会

○おくざわ高広議員

令和元年度人事委員会勧告の報告では、LGBT等性的マイノリティの記載がありますが、ここにはどのような意図があるのか伺います。
○人事委員会
人事委員会は、都が一昨年の10月に「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定したことなどの動きを踏まえ、多様な性についての理解の促進や、性自認及び性的指向を理由とするハラスメントの防止等について初めて意見。
○おくざわ高広議員より意見
五輪人権条例の制定などを踏まえ、初めて記載されたとのことです。昨年は都職員の方からの同性パートナーも事実婚と同様に福利厚生制度の対象にしてほしいとの訴えもありました。結論から言えば、厳しいものだったと思いますし、応援する立場で質疑を重ねてきた私からすると、大変残念かつ憤りを覚えるものでした。しかし、人事委員会勧告の意見に付されていることに鑑みれば、都庁組織として是正すべきものであるという見解は今後も残っていくものであり、また、その議論の過程においては、少しでも改善しようという動きがあったのだろうということは推察いたします。今日、この場をもって、人事委員会から付された意見について、無所属 東京みらいではますます重く受け止めます。おそらく、他の会派の方においても重く受け止めていらっしゃる方もいることと思います。議会側も都庁の職場環境の整備に尽力する一員としての立場があることを強く認識し、また取り組んでいくことをお約束します。

○おくざわ高広議員

国際金融都市構想について、LGBT等の性的マイノリティの方々にとってフレンドリーなまちであるかどうかは一つの試金石になっているとも聞くところでありますが、戦略政策情報推進本部としてどのような取組をしているのか伺います。
○戦略政策情報推進本部
都は、平成29年9月に開催された国家戦略特別区域諮問会議において、外国人同性パートナーの在留に係る特例の創設を提案。諮問会議での提案後、都は国家戦略特区ワーキンググループにおいて、提案内容の説明や諸外国の同性パートナーシップ制度に関する調査結果を報告するなど、国に対して継続的に働きかけを実施。
○おくざわ高広議員
これもまた国に対して働きかけているということですが、よく考えてもみてください。都庁職員の福利厚生制度にすら同性パートナーを規定していない東京都が国に対して要望をしているとはいかがなものでしょうか。それを見て、国が動きますかという話です。福利厚生制度は総務局の所管だから関係ない、ではなく、東京都全体として、整合性のとれない現状に対して、戦略政策情報推進本部からも強く働きかけていただきたいと強く申し述べておきます。

○おくざわ高広議員

「都の各種制度におけるLGBT当事者の取り扱いについては、それぞれ現行制度の趣旨や目的、法令等との整合性などを考慮して実施することが必要であり、都庁各局が工夫を凝らし、着実に歩みを進めていくべきものと認識」とありました。条例が審議された一昨年の総務委員会では、「全庁横断会議を設置し、条例の趣旨を庁内で共有し、相談窓口で当事者から寄せられる声、都民等や区市町村の意見、都議会でのご議論も踏まえ、基本計画を策定してまいります。基本計画の策定に当たりましては、各施策現場での課題を抽出しつつ、当事者が抱える困り事に対し、どのような配慮が必要か確認し、具体的かつ迅速に必要な見直しを行ってまいります」との答弁でした。これを聞いて疑問に思うのが、果たして各局の取組について、総務局はどのような役割を果たしているのだろうか、網羅的に把握はしているのだろうかということです。どのような点がボトルネックになっているのかを把握し、解決に向けた助言などは行っているのでしょうか、お伺います。
○総務局
都は、人権尊重条例制定後、全庁を挙げて必要な施策を推進するため、都庁全局を構成員とした「東京都性自認及び性的指向に関する施策推進会議」を設置。この会議を継続的に開催し、庁内各局の施策の進捗管理を行うとともに、庁内各局との総合調整を行い、当事者の悩みや困りごとを共有し、課題解決を図っていく。
○おくざわ高広議員
全庁会議を設置して取り組んできたとのことですが、これまでに解決されたものは採用試験における性別記載の廃止くらいしか思い浮かぶものがありません。会議で検討を重ねたとしても解決されなければ意味がないのではないでしょうか。また、東京都の旅館業法施行催促では、宿泊施設へのチェックイン時に性別(戸籍上の性別)の記載を義務付けているようですが、トランスジェンダーの方などにとっては大変な精神的苦痛を伴うそうです。一見すると、宿泊施設側の配慮でできるのではないかと思われますが、性別欄を削除すると、旅館業法で罰せられるとのことです。都から一歩離れたところで起きる事態について、実は都が定める条例や規則が足かせになっていたというケースもしっかりと把握しているのか、解決に向けた取組を進めているのか、この疑問に答える動きを見せていただきたいと考えるものです。なお、この旅館業法に関しては所管が福祉保健局ということで、答えることができないとのことですが、総務局が牽引していただかないと、現状維持を変えることはできないと思いますので、しっかりと務めを果たしていただきたいと申し述べておきます。
五輪人権条例を踏まえた取組についてさらに続けます。この条例が審議された一昨年の総務委員会で、普及啓発に当たってはLGBT等の支援を行う民間団体等との連携も前向きに検討している旨のお話がありました。また、基本計画では、「当事者等の意見を聴く」ことの重要性が述べられています。令和元年度の取組状況と当事者の声の施策への反映状況について伺います。
○総務局
基本計画を策定する際には、構成や基本方針等の検討にあたり、当事者の方々や当事者団体から、個別に御意見を伺った。また、LGBTに関する相談や普及啓発事業を推進するにあたっても、当事者団体等を通じて意見を聴き、事業内容を構築。民間団体が主催する、LGBT支援に関わる様々なイベントなどに、東京都のメッセージを発信し、都の後援名義の使用を承認するなど、様々な形で連携。
○おくざわ高広議員
あくまでも主観ですが、条例ができた当時は、都の後援名義にも躊躇していた記憶がありますが、積極的に取り組むようになったことは評価するところです。今年は2020大会が延期になってしまいましたが、プライドハウス東京レガシーが開設されるなど、LGBT等性的マイノリティの方々が自分らしく生きられる社会へ向けた歩みは着実に進んでいます。東京都としても、民間の動きとの連携も深めて、率先して取り組んでいただきますよう、強く要望しておきます。
ここからは都の福利厚生制度について、同性パートナーの方々への対応をめぐる観点から深掘りをさせていただきます。都職員の福利厚生制度について、同性パートナーを事実婚と同様に取り扱ってほしいという訴えがあることは承知していることと思いますが、人事委員会勧告では「性自認及び性的指向を理由とするハラスメントが起こらないよう防止するとともに、職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できるよう、ハード・ソフト両面から職場環境の整備に努めていくべき」との勧告が出ていることについて率直な受け止めを伺います。
○総務局
都はこれまで、「職場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する基本方針」に性自認及び性的指向に関する規定を追加したほか、啓発資料の活用等により、ハラスメント防止や多様な性に関する職員の理解を促進。性自認及び性的指向、育児や介護等の事情に関わらず、職員一人ひとりがいきいきと活躍できるよう、引き続き職場環境の充実に努める。
○おくざわ高広議員
性自認及び性的指向、育児や介護等の事情と一緒くたになると分かりにくいのですが、要は性自認及び性的指向によって差別されることなく、性的マイノリティの職員もいきいきと活躍できる職場環境をつくるというお答えであると認識しました。もし認識が違っているならば、この後の質問の際にお答えいただければと思います。さて、東京都職員の福利厚生制度については、職員の会費をあてているものもあり、その一つが結婚祝金や弔慰金などの給付制度です。まず、福利厚生制度における給付制度と昨年度における給付実績についてお伺いします。
○総務局
都職員の福利厚生事業は、東京都職員互助組合に関する条例で規定される互助組合である東京都人材支援事業団が実施。給付事業のうち、例えば慶弔等に関して給付を行うものには、結婚祝金や弔慰金、災害見舞金等あり。令和元年度の支給実績は、結婚祝金が3,228件、約3,200万円、弔慰金が3,047件、約2億3,400万円、災害見舞金が193件、約900万円と報告を受けている。
○おくざわ高広議員
東京都人材支援事業団が実施しているとのことですが、思ったよりも件数も金額も大きくて驚きました。互助の精神であるものですから、必ずしも全員がもらえるものではないとは思いますが、仮に、その対象に入っていない、そもそも給付を受ける権利を持たない方がいるのだとすれば、それはあまりにも不合理で不公平な制度ではないかと思います。そこでお伺いしますが、この給付制度の対象はどうなっていますでしょうか。
○総務局
給付事業については、東京都職員互助組合に関する条例施行規則において、互助組合の組合員及びその家族が対象として規定。例えば、結婚祝金は組合員が結婚したときに支給するものであり、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情になったとき、いわゆる事実婚の場合も含む。
○おくざわ高広議員
組合員及び家族であると、また、そこに事実婚も含まれるというお答えでした。もう一問させてください。対象となる「家族」について、事実婚も対象に認められていますが、それは、どのような根拠から定めているのかお伺いします。
○総務局
東京都職員互助組合に関する条例施行規則においては、福利厚生事業の対象である家族について、民法により相互に扶助又は扶養する義務を負う者等が規定。具体的には、配偶者や父母、子及び兄弟姉妹等を含む二親等内の親族、三親等の親族で被扶養者であるもの等を家族として規定。
○おくざわ高広議員
民法を一つの拠り所としているということですが、それは、法律や条例に明記されたものではなく、あくまでも施行規則であり、変更も可能であると理解していますが、これもまた誤りがあれば後ほどご指摘ください。では、職員の福利厚生制度を見直して、同性パートナーも事実婚と同様に取り扱うには、対象の部分に「同性パートナーも認める」と一言追加するだけでよいと理解していますが、対象者を変えるには、どのような手続きが必要になるのかお伺いします。
○総務局
同性パートナーの方にも、事実婚の方と同様に福利厚生制度の適用を認めるには、東京都職員互助組合に関する条例施行規則の改正が必要。改正に当たっては、国や他団体の状況のほか、現行制度の目的や趣旨、法令等との整合性、制度を適用するための客観的な確認方法、互助組合を組織する組合員の意向等を勘案する必要。
○おくざわ高広議員
他団体では鳥取県がすでに改正しているはずです。現行制度の目的や趣旨については、職員の互助の精神から会費制で成立している点に鑑みれば、むしろ今の方が整合性がとれていないのではないかとすら思います。法令等との整合性という点では、五輪人権条例との整合性を重視すれば見直すべきものと考えられます。客観的な確認方法という部分は、パートナーシップ制度を認める自治体も増えてきたことなどから、その方法も容易になってきているのではないかと考えられます。最後に組合員の意向については、人事委員会勧告の意見にもある「職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できるよう、ハード・ソフト両面から職場環境の整備に努めていく」主体となるのは組合員自身であると考えますところから、むしろ積極的に取り組んでいただきたいと思う次第です。さらに言えば、同じ趣旨の質問が都民ファーストの会さん、共産党さんから出され、公明党さんからは知事宛の要望書が出ています。つまり、条例施行規則の改正においてクリアすべきハードルは、ほぼ取り除かれているのだろうと思います。あえて、この場では質問しませんが、あとは決断するだけの状態、お膳立てがされている状態です。議員や世論に押されて動くのではなく、自ら動き、世論を形成していく、そのような東京都の姿を改めて強く求めるものです。

(ここまでの質疑を通じて、小池知事への過剰な忖度(そんたく)があることに気づく)

令和二年度決算特別委員会全庁質疑

○おくざわ高広議員

令和元年度人事院勧告では、五輪人権条例の制定などを背景に、性自認及び性的指向を理由とするハラスメントの防止等について初めて意見がなされていますが、東京都の福利厚生制度が同性パートナーに認められていません。分科会質疑では、都の福利厚生制度を変えるには、東京都職員互助組合に関する条例施行規則を改正し、「同性パートナーの制度利用を認める」旨を書き加えるだけでよいことが明らかになりました。福祉保健局では同性 カップルを養育里親として認めており、また、国際金融都市構想を進めるうえでは、同性パートナーに在留資格を認めるよう国へ求めるなど、東京都は、 同性パートナーを事実婚と同様に取り扱うという選択肢を否定はしていないと私は認識しています。そこで、改めて確認しますが、本計画における同性パートナーの位置づけについて知事の認識を伺います。
○小池知事
性自認及び性的指向に関する問題は、個人の価値観や家族・婚姻制度等に関わることもあり、都民一人一人の理解を得ていくことが重要。そのため、同性パートナーを含む性的マイノリティの方々について、基本計画では、現行の法制度を前提としながらも、当事者の困りごとを解消するために、どのような配慮が可能なのか、多様な意見を踏まえつつ、個別具体的に検討。今後も、当事者の方々に寄り添い、事案に応じた適切な施策を展開することにより、誰もが生き生きと生活できるダイバーシティ東京を実現。
○おくざわ高広議員より意見
事案に応じた適切な施策として、先ほど取り上げたような同性パートナーも事実婚と同様に扱う事例があるわけですから、その選択肢を否定していないと受け止めました。これまで問題提起のなされてきた総務局や住宅政策本部をはじめとする各局においては、検討を加速させていただきますよう、改めて強くお願い申し上げます。

令和二年度予算特別委員会

◯奥澤委員

最後に、人権尊重条例に関連してお伺いします。
LGBT等性的マイノリティーの方々は、自身のセクシュアリティーを自他ともに認められないことで、人間関係の障壁、将来への不安、自尊心の低下など、さまざまな困難につながることが多いと伺います。そのような中、都では来年度から、若年層も安心してアクセスしやすい交流の場、機会を設けていくとしていますが、その狙いについてお伺いします。
◯遠藤総務局長

性自認及び性的指向に関する基本計画で示しました、来年度から実施する予定の交流の場、機会の提供については、自身の性のあり方や生き方について一人で悩みを抱える性的マイノリティー当事者が、ほかにも同じ悩みを抱える者がいることを知り、今後の生き方をイメージできるよう実施するものでございます。本事業を通じまして、当事者同士が安心して集い、その悩みを話し合うことなどにより、悩みや困り事の解消につながるよう、都として支援してまいります。

虹まとめ虹自分らしい笑顔がみたいから

というわけで、亀よりも遅い歩みで進んでいく東京都ですが、他の会派でも同じような動きがみられることが希望です。

職員の皆さんも頭ではわかっています。でも、その一歩を踏み出せないのが私には分かりません。

でもやっぱり、性的マイノリティの方々の素敵な笑顔があふれる、真のダイバーシティへと少しでも歩みを進めたい。

残り7か月の任期、最後まで訴えかけてまいります。

うん、やっぱり素敵な笑顔ばっかりです。

 

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