こんにちは、
東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。
前回に引き続いての一般質問解説ですが、教育関連でさらに3問続けました。
1.いじめの解消に向けた傍観者プログラム
実は立候補時の公約の一つがいじめゼロだったのですが、都議会議員になってみると、学校でいじめを隠さずに、認知件数を増やしていこう、つまり気付こうというフェーズであり、愕然としました。
とはいえ、それを否定しても仕方がないということで、まずはいじめの認知を進めること、隠さない環境をつくること、その環境が整ったら、傍観者プログラムという効果的なプログラムを導入することを繰り返し話してきました。
そのような中、今回学校のいじめ防止計画である「いじめ総合 が改定され、保護者や地域へのプログラムが入ることに。ただの知識習得ではなく実践的なプログラムを求め、珍しく(?)都の意見と合致した質疑となりました。
いじめ防止のためのプログラムについてでございますが、いじめの防止に当たっては、教職員が組織的に対応することに加え、学校と家庭、地域が緊密に連携して、子供たちの健全な育成を担っていくことが重要でございます。
そのため、都教育委員会は、本年度、学校や保護者、地域の方々が、いじめ問題についてともに考え、理解を深める演習形式のプログラムを開発いたしました。具体的には、保護者会で、いじめられた子供といじめを行った子供の保護者双方の立場から対応のあり方を考えたり、教員と地域住民等の協議会で、いじめを生まない環境づくりのための地域の役割について話し合ったりする内容となっております。
今後、このプログラムを都内の全公立学校に配布し、活用を促すとともに、有識者会議において、その効果の検証を行い、子供を守り育てる取り組みの充実を図ってまいります。
いじめは起きる、でも、早期に解決させることはできる。そんな取組を求めていきたいと思います。
2.若者の自殺への対応
コロナ禍で若者の自殺が増えています。いくら相談窓口をつくっても、根本的な要因、生きづらさや未来への閉塞感を打ち破らない限りは、この問題はずっと続いてしまうとの問題意識から意見交換するも、学校だけでは対応が難しいという現実も。では学校でも出来ることはなにかと考えた結果、SOSを出していいということをもっと周知してもらうことでした。学校に行きたくない、家にいたくない、進学に不安、でも死にたいと思う前に助けてと言えるような力を身につけてほしいとの訴えです。
子供の深刻な悩みへの予防的な取り組みについてでございますが、これまでの日常とは異なるコロナ禍において、子供が深刻な悩みを一人で抱え込んでしまう心配があることから、子供の小さな変化を見逃さないようにするとともに、安心して相談できる環境を整えることが必要でございます。
そのため、都教育委員会は、学校に対し、アンケートの例を示し、定期的に子供たちの悩み等を把握できるようにするとともに、心配な様子が見られる子供に対し、早期に教員やスクールカウンセラーが相談に乗り、寄り添って支えるよう徹底を図ってまいりました。
また、子供がつらいときに信頼できる大人に助けを求めることができるよう、都教育委員会が開発した、SOSの出し方を学ぶDVD教材の活用を促進してまいりました。
今後とも、こうした取り組みにより、子供の不安や悩みを解消に導くための支援の充実を図ってまいります。
正直に言って、まだ解決の糸口を見出すことはできていません。でも、これは、私が政治家を志したきっけでもあり、人生のテーマです。これからも、粘り強く取り組んでいきます。
※詳しくは、ホームページを参照。
3.学校におけるジェンダー平等
ジェンダー平等というと、五輪組織委員会の森会長の発言で一気に知れ渡った言葉かもしれませんが、私たちの会派ではずっと取り組んできたテーマです。ジェンダー平等には、人によって様々な意味合いでとられますが、
性別によって人生の選択肢を限定されない社会
と私は定義しています。よくジェンダーレス(生物学的な性差を前提とした社会制度を変えよう)と誤用している方がいますが、私は生物学的な性差があることを前提として、それを理由に人生の選択肢が狭まることのないように、必要な支援を行うことも含めた社会のあり方を考えるべきとの立場です。
※よろしければ、過去に書いた記事もご覧ください。
そのような意味で見たときに、都立中学校、高校が男女別定員制度をとっていて、合格点に格差が出ていること、それを理由に進路を変えざるを得ない人がいるのは残念でなりませんでした。これは、都としても問題意識をもちながら、私立学校との関係性などの理由から、議場での答弁は難しいと思われていました。事実、これまでに何度も斉藤れいな議員が取り上げようとして不発に終わっています。
しかし、今回、その是正をする必要性、重要性を初めて答弁してくれました。社会全体のジェンダーに対する考えの変化も影響したかもしれません。そうゆう意味では森会長に感謝です、というか、あの発言をもって見直すべきは私たち自身だったと思っているので、東京都がその姿勢を打ち出してくれたことは大変嬉しいものでした。
とはいえ、制度を見直すと答弁したわけではないので、今後の取組を注視していく必要があります。
都立高校等の男女別定員制についてでございますが、高校入学者選抜では、全日制普通科で男女別定員を設けており、合格者の成績に男女差を生じる場合があることから、募集人員の一割につきまして、男女合同の総合成績により合格者を決定しております。こうした方式の実施校は、平成三十一年度三十一校、令和二年度四十校、令和三年度四十二校となっております。また、中高一貫教育校では、一般枠は男女別定員としておりますが、繰り上げ合格者を男女合同での総合成績で決定をしているところでございます。
これらの取り組みにより、合格最低点の男女間の差の縮小を図りますとともに、中学校の進路指導等への影響を考慮し、実施校の段階的な増加に努めているところでございます。
今後とも、男女別定員による不公平感を低減するとともに、より男女平等な入学者選抜とすることを目指してまいります。
以上、改めて振り返ると、私の目指す
誰もが生まれてきて良かったと思える社会
に向けて、生きづらさの解消を求めるものであり、そのために学校のできることは大きいということが示された質問となりました。
その後の森沢きょうこ議員の予算特別委員会でも取り上げましたが、学校は、子ども達の価値観や生き方を左右する場所です。これからも、未来を担う若者が自分らしく生きていく背中を支える仕事をしていきたいと思います。
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