2021.03.28

新型コロナ改正案に反対。実効性低下の可能性を懸念

こんにちは、

東京都議会議員-町田市選出-

無所属 東京みらい おくざわ高広です。

 

さて、昨日閉会した都議会第一回定例会においては、都民ファ提出の新型コロナ対策条例案に関して、採決が行われ、賛成多数で可決されました。一方で、私たちは反対をいたしました。

条例案に反対をすると、新型コロナ対策にやる気がないのか!というご批判を受けることもありますので、なぜ反対するのかしっかりと考えをお伝えしておきます。

反対の理由①「改正前の第五条3項」

今般提出された本改正案では、

都は、新型コロナウイルス感染症の発生状況等を踏まえ、患者等が療養に専念することができるよう、施設の確保等環境の整備に努めるものとする。

としており、私たちはこの条項を根拠に、宿泊療養や自宅療養等に関わる施策の強化を求めてきましたが、この項目が削除されていることについて、いくつか質問を行いました。

改正案では、宿泊療養と自宅療養を項目立てたものですが、

感染症法では

都道府県知事は、宿泊施設もしくは当該者の居宅もしくはこれに相当する場所から外出しないこと、その他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる

としており、必ずしも宿泊療養、自宅療養に限定していません

日々刻々と対応が変わる中で、仮に宿泊療養と自宅療養以外の療養方法が出てくる、あるいはそれらが推奨されないような状況が出てきた際に、さらなる条例改正を必要とすることが懸念されます。都がスピーディに対応することに対して、むしろ足かせにもなり得ると危惧します。

また、この条項が削除されていることについて質問したところ、「全く同じ条文を五条の二の一項に移した」と事実と異なる答弁がなされたことは大変遺憾です。

 

反対の理由②「条例改正で何が進むのか分からない」

また、私たちは、宿泊療養や自宅療養における具体的な課題を指摘する質問を行いました。宿泊療養が進んでいない理由や自宅療養者へのフォローアップをどうするのかという内容ですが、その答弁は「適切な方法は都が考えるべきもの」との答弁でした。

そもそも、本改正がなされなくとも、都は療養環境の整備に取り組んでいます。仮に議員提出で改正を行うのであれば、現在の法令では進めることができず、かつ、改正が行われることで新たな取組がより一層進むものであるべきと思いますが、残念ながら、そのような意義ある答弁をいただけませんでした。

議員提出条例は、社会を変える方法の一つにすぎません。

提出者は、「新型コロナ対策の実効性をより高めるための体制の整備」を目的としていますが、そうであるなら、現在の都の対策は何が不足してるのかを明らかにしたうえで、その解決にベストな方法が条例改正であるということを明らかにしてほしかったというのが率直なところです。

いずれにしても、本条例改正案については、差別的取り扱いへの救済措置などの重要な項目もある一方で、新型コロナ対策への臨機応変な対応力の低下や実効性への懸念等を総合的に判断し、賛同しかねるという結論に達しました。

 

条例や予算に対して、賛成か反対かだけをとって、偏ったレッテルを貼られることもありますが、なぜ賛成したのか、なぜ反対したのかという部分にも光を当てていただきたいと思う次第です。

私たちも、新型コロナ対策に引き続き全力で取り組んでいきます。

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