こんばんは、

東京都議会議員（町田市選出）の

おくざわ高広です。

本日、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための補正予算が発表されました。

総額５，８３２億円の補正予算ですが、その柱は、以下の４つです。
１．新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策（対コロナ）
２．経済活動と都民生活を支えるセーフティネットの強化（越コロナ）
３．感染症防止と経済社会活動との両立等を図る取組(共コロナ）
４．社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取組（後コロナ）

（　）内はおくざわ解釈

中でも、私が注目する予算について、以下触れていきます。

１．新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策（対コロナ）

☆注目ポイント☆

「医療機関や社会福祉施設等へのマスクの提供」は、都民の皆様からの寄付金２．５億円が活用されている点です。これまで日本に根付かなかった寄附文化ですが、これを機に定着してほしいと思うのと同時に、後述しますが、厳しさを増す都の財政を、都民の皆様に支えていただいていることに感謝の一言です。

２．経済活動と都民生活を支えるセーフティネットの強化（越コロナ）

☆注目ポイント☆

ここには書いていませんが、

「ソーシャルビジネス支援事業」 0.7 億円
「クラウドファンディングを活用した資金調達支援」 0.2 億円

が計上されています。金額にしたら決して大きくはありませんが、新型コロナに関連して顕在化した社会課題を解決しようとする事業者等を力強く支援していく姿勢が示されたことは重要です。

「ひとり親家庭支援事業」も重要です。約８万世帯に対し食料品等を配布する計画とのことであり、４月初旬より繰り返し訴えてきた「ひとり親の厳しい生活環境に対して、支援がなされることは歓迎すべきものです。一方で、その仕組みについては、まだまだ煮詰まっていないところがあり、また区市独自の支援を決めたところもあるため、調整も必要になりそうです。押しつけではなく、必要な支援が届くよう仕組みづくりに口出ししていきたいと思います。

また、申込が殺到した「文化芸術活動の幅広い支援」については、その拡充は妥当であると考えるものの、本当に必要な人に届いているのかという検証が必要になりそうです。

３．感染症防止と経済社会活動との両立等を図る取組(共コロナ）

☆注目ポイント☆

なんといっても「新しい生活様式に対応したビジネス展開」に注目です。前回補正予算で飲食事業者の宅配やテイクアウトへの支援が講じられましたが、私たちは業種に関係なく、業態転換を支援するべきと要望してきました（3/30要望、特別委員会質疑など）。学習塾やフィットネスジム、あるいはエンターテインメント業界においても、オンラインを活用して新たな収益モデルを構築しようと創意工夫をされている方々がいらっしゃいます。こうした方々に、支援が届くことを願っています。

４．社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取組（後コロナ）

☆注目ポイント☆

ここでは、「スタートアップ実証実験促進事業」を取り上げたいと思います。これは、非接触技術による教育、医療、リモートワークなどの分野における実証実験をサポートするというものですが、まだ経営基盤が整わず、しかしアイディアを有しているスタートアップ企業への支援は重要です（4/1要望）。ユニコーン企業のみならず、社会貢献とビジネスの両立を図るゼブラ型企業の育成が、課題先進都市・東京が目指すべき方向性の一つであると述べてきた私としては、大変うれしい予算です。

予算の全体像はこちらをご覧ください☞令和２年第二回定例会補正予算（案）

感染拡大防止協力金第二弾やテレワークの更なる推進、企業再編（M&A含む）の支援や雇用確保支援などの経済対策が盛り込まれており、なんとか新型コロナを乗り越えるとともに、コロナの中でも暮らしや経済を取り戻していく段階に来ています。

一方で、都がこれまで蓄えてきた財政調整基金（貯金）は、９，０００億円程度ありましたが、底をつきはじめています。今年の税収は、大きく落ち込むことが予想され、都政運営は危機的な状況を迎えることが予見されます。

東京は金持ちだと言われますが、そんなことはありません。第二回定例会では、これら予算について中身の精査を行うとともに、都民の皆様にしっかり届くものとなるよう、この予算で新型コロナを乗り越える、強い決意をもって質疑に臨みます