2021.03.27

都議会閉会!予算案、補正予算案、こども基本条例、コロナ条例が成立!ただし・・・

こんにちは、

東京都議会議員-町田市選出-

無所属 東京みらい おくざわ高広です。

 

昨日(3/26)都議会が閉会し、

✔15兆円を越える令和三年度予算案

賛成:都F、自民、公明、立憲、みらい、ネット、維新、旭、表現 反対:共産、自由

✔飲食店等への協力金と医療機関への利子補給に関する補正予算案

全会派賛成

東京都こども基本条例(議員提出)

全会派賛成

新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例(議員提出)

賛成:都F、共産、ネット 反対:自民、公明、立憲、みらい、維新、自由、旭、表現

が成立しました。

私たち無所属 東京みらいは、

令和三年度予算、補正予算、こども基本条例に賛成、コロナ条例改正に反対しました。

中でも、補正予算については、4/1~4/21の21時までの時短営業に関して一日あたり4万円の協力金が主な内容で、3/24に補正予算編成が発表、3/25上程、3/26質疑と採決という慌ただしいスケジュールでした。

各会派からの質疑では、一律給付の不公平感、飲食店等以外への支援の必要性、感染防止リーダーの実効性への疑問、意思決定における効果検証といった点についてかなり厳しい質疑や意見がありましたが、残念ながら、あまり都側から前向きな答弁はなかったという印象です。

私たちもかなり賛否に迷いましたが、補正予算はミニマムの支援策であり、賛成するものの、厳しく注文を付けていくという立場で臨みました。

特に、他会派と異なる点では、東京都が広域行政として発揮すべき機能、具体的には、客観的事実に基づく効果検証と政策立案機能が低下しているのではないか、人材マネジメントがうまくいっていないのではないかという視点です。

国では条文に誤りがあり、審議がストップしてしまったような報道もありましたが、都においても、ここのところ事務的なミスがいくつかあるように思えます。大きな問題になるものではありませんが、それだけ職員が疲弊し、また、組織として機能していない可能性があると危惧しています。

答弁としては、「都庁内外の力を活用して取り組んでいく」とのことで、今後に期待したいところです。

 

また、採決に先立ち行われた「討論」では、都庁職員から伺った「首都公務員」のエピソードを述べさせていただきました。全文は以下に掲載していますが、その部分を取り出しましたので、ご覧ください。

閉会後に、人事異動のタイミングでご挨拶にこられた職員さんも多数いらっしゃいました。さびしくもありますが、新天地での活躍を心から祈念します!

約四年前、都議会議員になってはじめて都庁職員と話をした際に、『東京都庁で働く者は、いち行政マンであることを超えて、日本全体をリードする「首都公務員」というプライドをもって働いている』という言葉が忘れられません。日本全国が新型コロナに痛めつけられています。東京都は、客観的な事実に基づく効果検証を行っていますでしょうか。まちに出て現場の声を聞いていますでしょうか。たとえ国や専門家、時に上司と考えが違っても、自らの頭で考え、行動していますでしょうか。今こそ、東京都が首都公務員としての誇りをもって、都民や事業者の痛みに寄り添いながら、新型コロナ対策に立ち向かっていくよう奮起を期待し、私たちも建設的な提案により、その背中を後押しをしていくことをお誓いし、討論を終わります。

 

以下、令和三年度予算案、こども基本条例、コロナ条例改正案の討論です。

無所属 東京みらいを代表して、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第三号「東京都こども基本条例」に賛成、その他の議員提出議案に反対の立場から討論を行います。

まず、議員提出条例第三号「東京都こども基本条例」について申し上げます。私たちは、原案の趣旨に賛同し、その提出に至る経緯における並々ならぬご努力とその想いに感服し、共同提案者となりました。当初から「全会派のみならず全都庁が一致して賛同できる内容」とすることが最も重要だと考えてきた立場から、結果的に厚生委員会において全会一致で可決されたことは大変喜ばしいことです。
この間、様々な議論がありましたが、東京都こども基本条例の成立は、始まりにすぎません。これを機に、こどもの権利が尊重され、こども第一の施策が組織横断で総合的に取り組まれていくよう、心から願うものです。

次に、議員提出条例第五号「東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例」について申し上げます。
現行条例第五条3項では、療養における「施設の確保等環境の整備に努める」としていますが、本改正案では、これを削除し、宿泊療養と自宅療養に限定する内容となります。一方で、感染症法では「都道府県知事は、宿泊施設もしくは当該者の居宅もしくはこれに相当する場所から外出しないこと、その他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる」としており、必ずしも宿泊療養、自宅療養に限定していません。日々刻々と対応が変わるコロナ対策にあって、本改正はかえってスピーディな対応を阻む可能性があります。
また、療養における具体的な課題を指摘したところ「適切な方法は都が考えるべきもの」との答弁でありましたが、ご存知の通り、都はすでに療養環境整備に尽力されており、ではなんのために条例化するのかと疑念を抱くものでした。
本改正案については、差別的取り扱いへの救済措置などの重要な項目もある一方で、新型コロナ対策への臨機応変な対応力が低下する懸念もあることから、総合的に判断し、賛同しかねるという結論に達しました。

ここからは、令和三年度予算案について申し上げます。本予算案は、コロナ禍の先にある「誰もが輝ける、世界から選ばれる東京を創り出す」ために、「社会の構造改⾰」に取り組む内容が数多くみられることは重要です。一方で、一年を越えた新型コロナウイルス感染症との戦いについて、今後さらに厳しさを増すことが予想される都財政の状況をにらみつつも、さらなる対策を講じていく必要もあります。

まず新型コロナ対策について、これから本格化するワクチン接種を見据えた医療体制、さらには変異株やリバウンドの兆候を早期に発見する検査体制の強化を図っていく必要があり、さらなる取組が求められます。そのためには、東京iCDCを中心に、東京都が関係機関に対する司令塔機能、入院や療養等における調整機能を発揮していくこと、適切な外部委託をすすめ医療機関や保健所等の負担軽減をはかることがより一層重要になると改めて指摘しておきます。
コロナ禍による社会経済活動の縮小は、事業者や都民の暮らしに大きな影を落としています。都内のコロナ解雇は2万人を越え、昨年の全国の小中高生の自殺は過去最多となりました。また、大学のオンライン化や行事の縮小、中止なども含めて、若者の成長機会が奪われていることも重く受け止める必要があります。こうした状況に鑑み、さらなる財政出動による社会経済活動への支援、とりわけ一人ひとりに届くセーフティネットの強化を求めます。

次に、教育について申し上げます。TOKYOスマート・スクール・プロジェクトを進めるにあたっては、データ分析による指導力の向上や学校運営のマネジメント力向上を図るとともに、公正に個別最適化された学びを目指し、また、家庭の経済格差が学びの格差につながることのないよう、必要な支援を講じていただきたいと思います。教育科学に関する有識者等と連携して、都教育委員会がデータ分析やICT活用におけるセンター機能を発揮していただきたいと申し述べておきます。
学校は、学びの場であると同時に価値観を形成していく場所でもあります。学校現場におけるジェンダー平等の実現や、障害があってもなくても、ともに学び、遊び、暮らしていくインクルーシブな教育環境の整備や個々に寄り添った支援が重要です。全てのこどもが社会の宝であるという認識を共有し、児童生徒の学びを支える柱である教員のメンタルヘルスやハラスメント対策にも取り組みつつ、学校内外の力を結集して、東京型教育モデルを確立していただくよう求めます。

雇用就業対策について申し述べます。2万人を超える雇用を生み出すと銘打つ東京版ニューディールですが、採用意欲の高い企業と就労意欲の高い個人のマッチング、いわば需給調整の役目を果たすものであると認識しています。コロナ解雇がますます増える中にあっては、新たな雇用を生み出す必要があり、東京版の雇用促進税制による企業の負担軽減や新産業創出支援がより一層重要になると考えており、重層的な雇用就業対策を求めます。加えて、コロナ禍で障がい者雇用が脅かされている現状もふまえ、ソーシャルファームの展開、や福祉的就労における経営的手法の導入、テレワーク支援など、これまでと異なる視点での取組にも期待するところです。

文化芸術については、度重なる緊急事態宣言の延長により、公演の延期や中止、観客数の変更が繰り返され、それに伴うキャンセル料なども含めて、関連事業者は大きな痛手を受けています。事業者への検査費用なども含め、文化芸術活動の安全、安心な継続に向けた幅広い支援を求めるものです。

ジェンダー平等の推進について、生理や妊娠・出産、更年期に至るまで、女性特有の健康課題について、男性を含む社会全体が理解していくことは欠かせない視点です。また、予期せぬ妊娠などによって、女性だけが家庭や社会から孤立してしまう社会は問題であり、性教育の充実、特定妊婦の居場所確保やその先の支援、児童虐待の未然防止、緊急避妊薬に関するアクセスの改善など、幅広い取組を求めるものです。
同性パートナーシップ制度の導入について、本定例会でも各会派から質疑が相次ぎました。来年度は「海外、国内の同性パートナーシップ制度の仕組み」について幅広く調査することが示されましたが、導入に向けた前向きな検討となるよう、注視させていただきます。
少子化対策について、来年度は、チーム2.07プロジェクトの一環で、「こどもスマイルプロジェクト」が展開されるとのことですが、私たちは、こどもの笑顔のためにも、大人の笑顔を増やす取組が重要であると考えています。子育て家庭が不安や孤独を感じることないように、経済的にも心理的にも負担を取り除き、社会全体で子育てを温かく見守り、支える仕組みづくりを進めていただきますようお願いします。

社会の構造改革を進めるには、これまで当たり前とされてきた仕組みや制度を変えること、定量的な分析、評価による規制改革についても、より一層重要になります。また、来年度は、政策評価と事業評価が統合されるとのことですが、自己点検のみではなく、外部有識者の目線の導入を求めます。その効果や必要性、緊急性が多角的に評価されることで、生み出された新たな財源を新規事業に振り向けるという考え方のみならず、減税を含む都民の負担軽減に振り向けていくことも検討いただきますようお願いします。社会を変える方法は、予算措置だけではありません。今後厳しい財政局面を迎える可能性を念頭に、国と区市町村との役割分担や民間との協働を進め、都庁がなすべきものを見極め、注力するよう求めます。

最後に議会改革について一言申し上げます。
議員提出条例は、ゴールではなくスタートです。だからこそ、できれば全会派が一致できる内容を目指し、特に人数の多い会派間で水面下での一定程度の協議が行われることは当然のことであり、その努力を軽視すべきではありません。いや、そこにこそ大変な汗をかいていることも議会の真実であり、本質です。
たしかに、規則のみを考えれば、議場で全てを決めていくこともできるかもしれません。しかし、本定例会でもみられたように、考えの異なる会派間で一致点を見つけていくことは容易ではありません。自己都合だけではない全ての事実を明るみにしていくことは勇気がいることでもあります。
一方で、会派間の見解の相違から委員会運営に支障をきたし、とりわけ深夜に及ぶ状況となったことは私たち自身真摯に反省すべきと考えています。先程議会基本条例に関する言及がありましたが、私たちはその必要性を強く感じています。ぜひとも、より多くの会派が賛同できる条例案を提出いただき、議場でしっかりと議論させていただきたいと申し述べ、都民のためのより良い議会を目指して尽力することをお誓いし、討論を終わります。

 

 

以下、補正予算案に関する討論です。

無所属 東京みらいを代表して討論を行います。

都では、2月中旬からリバウンド防止の重要性を呼びかけ、実に98%の飲食店が20時までの時短営業に従ってきたにも関わらず、残念ながら、現在微増傾向にあります。本気でリバウンドを防ぐのであれば、「対策の強化」もしくは「これまでとは異なるアプローチ」が必要ですが、都の対策はむしろ弱める内容です。その根拠について「国」「一都三県」という言葉にかくれ、決して主体的とは言えない姿勢は、大変残念です。

また、リーダー登録について、「感染再拡大の防止には、店舗と利用客双方の協力が必要」との認識は重要ですが、心理面も含めた飲食店の負担を考慮しなければ効果を発揮しません。異なるアプローチという面では、感染リスクは昼も夜も変わらないことを踏まえ、むしろ、日中も含めた1グループの入店人数や滞在時間の制限を設ける方が効果的とも提案しました。また、寒さが穏やかになってきた今、「換気」の徹底も有効です。厚生労働省では、『一人あたり毎時 30リューベー』という必要な換気量の目安を示しており、店舗ごとのリスク評価と個別具体的な助言、支援を行うことが重要です。コロナ対策リーダーに関して「安心な環境づくり」という答弁がありましたが、大切なのは科学的知見に基づく「安全な環境づくり」です。ステッカーを見て安心と思ってお店を選んだら、対策が取られておらず安全ではなかったというのが一番危険な状況です。そのような意味でも、換気工事を含むガイドラインに基づく対策に関する助成事業について、申請締切が4/30、工事完了の締切が6/30となっていますが、その延長を求めます。加えて、テレワークは、上手に活用すれば、生産性を上げつつも人と人との接触を減らすことのできる有効な手段です。改めて、テレワークの徹底を、特に事業主に対して呼びかけていただきますよう、お願いします。

これからも一定程度感染者は増加していくと思われますが、民間の活動を制限していく以上、都としてできることを最大限に尽くす必要があり、「検査」の拡充は重要です。また、その中でも社会経済活動と両立していくためには、感染者の受け皿となる「医療、療養体制の整備」は引き続き重要です。先程の質問では、「必要な検査は適切に実施できている」との答弁がなされましたが、私たちの認識とは乖離があると言わざるを得ません。感染抑制に成功しているオーストラリアでは誰もが無料で検査を受けられる体制を作り、1日あたりの検査は6万件、延べ検査実施率は45%で日本の10倍です。国内のみならず、諸外国の事例も参考に取り組んでいただくようお願いします。
一方で、夏ごろまでには重症化リスクの高い高齢者にワクチンが行き渡る見込みであることは一筋の光であります。もう一歩、区市町村や都民の皆様と力を合わせて取り組むことができるよう、都のなすべきこと、より効果的なことに注力いただきますようお願いします。

長引くコロナとの戦いの中、協力金の手続や夜間の見回り、宿泊療養施設の運営といった業務に責任感をもって取り組む姿には敬意を表します。一方で、そうした業務は、必ずしも都庁職員自らが行わなくてもよいものもあり、それに疲弊しているのは本末転倒です。結果的に都庁全体のパフォーマンスが下がっていることを危惧し、改めて、人材マネジメントという観点から組織の立て直しを図るべきであると指摘しておきます。

約四年前、都議会議員になってはじめて都庁職員と話をした際に、『東京都庁で働く者は、いち行政マンであることを超えて、日本全体をリードする「首都公務員」というプライドをもって働いている』という言葉が忘れられません。日本全国が新型コロナに痛めつけられています。東京都は、客観的な事実に基づく効果検証を行っていますでしょうか。まちに出て現場の声を聞いていますでしょうか。たとえ国や専門家、時に上司と考えが違っても、自らの頭で考え、行動していますでしょうか。今こそ、東京都が首都公務員としての誇りをもって、都民や事業者の痛みに寄り添いながら、新型コロナ対策に立ち向かっていくよう奮起を期待し、私たちも建設的な提案により、その背中を後押しをしていくことをお誓いし、討論を終わります。

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