2021.03.28

最後は大団円!?東京都こども基本条例が全会一致で可決!

こんにちは、

東京都議会議員-町田市選出-

無所属 東京みらい おくざわ高広です。

 

さて、都議会にて大荒れとなっていた「東京都こども基本条例」ですが、最終的には、3/26に全会派賛成、可決となりました。その経緯は、以下のブログをご覧いただきたいのですが、今日はその裏側にあったエピソードをご紹介します。

経緯はこちら☞もういちど同じテーブルで話したい

速報はこちら☞涙の可決

経緯で書いた通り、3/18(木)に都ファ・共産「修正案」が出された後に、3/19(金)に公明・自民・みらい「真・修正案」を出したものの、受け取ってもらえないという状況になり、東京都こども基本条例は完全に暗礁に乗り上げていました。

3/20(土)に出演させていただいたTOKYO MX「田村淳の訊きたい放題!」でも、この話題となり、お互いの見解はすれ違うばかり。

この時、交渉にあたっていたのは都ファと公明だったため、共産は「真・修正案」を見ていない状況でした。私は、共産主催の勉強会にも参加し、その主張のポイントも理解していたつもりなので、もう一度同じテーブルで話し合うために、「共産の意見にも充分に配慮した内容であり、ぜひ再度議論するために協力してほしい」と再三伝えていました。

 

各議員が水面下でのやり取りをした上で迎えた3/22(月)ですが、やはり事態は動きませんでした。もう交渉は決裂、ガチンコで質疑して賛否を問おうじゃないかという方向性になりつつあったのが夜7時頃だったでしょうか。つまり、全会一致を諦めるという選択肢に傾きかけました。そして、それは「こどもの権利の限定」や「こども自身にも都庁側にも過度な負担を強いる内容」が残ったまま可決してしまうことも意味していました。

ここからは、時系列でみていきます。

21:45 理事会にて「真・修正案」を提示

→共産党から中身を確認したいから時間が欲しいとのことで、60分間の休憩。

22:15頃 共産党から「真・修正案」に一本化したいとの連絡

→大山とも子団長、和泉なおみ幹事長が来られ、丁寧にお願いをしていかれました。

23:20頃 都民ファから「真・修正案」に一本化したいとの連絡

→厚生委員会桐山副委員長、森理事が来られ、共同提案させてほしいと言われました。

00:30頃? 都民ファから一本化を取りやめるとの連絡

→厚生委員会桐山副委員長、森理事が来られ、自民党の協議が折り合わず、共同提案させてもらえないのであれば、一本化は取りやめるとの話がありました。

もうだめか、そう思った時にも、諦めずに協議を続けたのが公明党のまつば多美子議員でありました。

一度は決裂した自民党と都民ファの協議について、都民ファも共同提案したいという要求を飲み込むように、自民党を再度説得に走っていたのです。

※こうした姿を知ればこそ、最初から最後まで「こどものことを政争の具にしない」と取り組んだのが誰かよく分かると思います。公明党が圧力をかけたといった全く事実と異なる一部報道もあったことから、この点はきちんとお伝えしたいと思いました。

02:45 理事会が再開

→各会派から意見表明の後に採決することが決定

03:30 委員会開会

意見表明はこちらからご覧ください。ヤジの応酬は見るにたえないものであるとは思いますが、これもまた都議会の真実です。ただし、ここまでヒートアップした背景には、公式・非公式な場面でSNS等による誹謗中傷に近い発信を問題視したところ、「知らぬ存ぜぬ」を決め込む方がいたことも、付け加えておきます。

04:15 全会一致で可決

3/25 事実と異なる報道や発信もあることから、公明・自民・みらいで共同談話を発出

3/26 本会議にて全会派賛成で可決

 

≪諸先輩に学んだこと≫

ここまで、とても長い道のりでしたが、学ばせていただくことも数多くありました。

まず、これまでも再三伝えていますが、公明党のまつば多美子議員の執念、あきらめずに取り組む姿には尊敬の念しかありません。誰が何といおうと、最大の功労者であり、意見表明も理路整然とした内容かつ大変感動するものでした。同僚の森沢きょうこ議員も涙が止まらない状況でありました。

次に、生活者ネットの山内れいこ議員の真摯な姿にも驚かされました。生活者ネットもこどもの権利については幾度となく取り上げており、今回も共同提案者になっていました。一方で、厚生委員会に所属していないために議論には参加できないという立場でした。しかし、深夜に開催された厚生委員会に山内れいこ議員が傍聴に現れたのです。共同提案した責任として、最後まで見届けたいと仰る姿、これもまた議員として見習うべきところが多いものでした。

最後に、共産党の大山とも子団長、和泉なおみ幹事長です。議会というのは正論だけで物事が進むわけではありません。時に、しかるべき立場の人が、頭を下げたりする場面も必要になります。ごめんなさい、ありがとうという言葉が一つのケジメになることもあるのです。お二人は、厚生委員会で頑張っている同僚のためにと進んで頭を下げられました。「実るほど頭が下がる稲穂かな」この姿勢を忘れずにいたいと思った次第です。

 

とにかく、東京都こども基本条例は可決しました。これは、東京都のこども施策が全庁的に総合的に取り組まれるスタートラインを引いたものにすぎません。引き続き、がんばります。

 

あ、最後に、今般の一連の流れを受け、「予算を人質に」政局にしたとの批判もありますので、私個人の考えをお伝えします。

そもそも、3/18の理事会では「予算審査と条例審査の双方について一旦持ち帰り協議する」ことが了承されています。

その直後から予算を人質にするとは政局だとの意見も出ていますが、では、なぜそこで了承したのか分かりません。

仮に予算審議だけを行うとしても、委員会中に条例案採決の動議を出されると、数の力では可決してしまうおそれを抱いていました。また、予算と条例を切り離し、条例案の審査ができずに進むと、3/26の閉会日をもって廃案となってしまう懸念もありました。そうしたことから、考えがまとまるまでは委員会を開催してほしくないと私自身思っていたのは事実です。しかし、それは政局ではなく、政策の精査に必要な時間だった私は考えています

これは、どちら側から見るか、という話なのかもしれませんが、実際に私たちが提出した公明・自民・みらい「真・修正案」をみていただければ、真摯に対応していたことはご理解いただけると思います。

政治は、議場だけが全てではなく、水面下で起きていることも真実、本質なのだということも改めて学ぶ機会になりました。

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